HISTORY
ProMark は、プロドラマー兼ドラム専門店のオーナーであった Herb Brochstein 氏によって1957年に設立されました。ProMark は家族経営の理念に基づくブランドであり、2011年に D'Addario 社が Herb 氏の息子である Maury 氏から ProMark を買収した後もそれは変わっていません。オフィスと工場はテキサス州ヒューストンに残したまま、その90,000平方フィートに及ぶ工場でヒッコリー、メイプル、日本製の白樫オークを使ったドラムスティックを製造しています(ProMarkは、日本製の樫材を使ったドラムスティックの市場展開に成功したアメリカで初のドラムスティックメーカーです)。
ProMark がスティックやマレットの製造に使用しているのは、絶滅の危険のない木材のみです。材料となる木材の伐採が入念なコントロール下で行われているだけでなく、ProMark では常にその後の植栽を一大関心事としています。切り出された材はまず、ドラムスティック状に加工される前に中南部にある自社の製材所での繰り返しの選定プロセスと前工程処理が施され、その後も一連の製造プロセスを通じて厳しい検査が何度も行われています。
ヒューストンの製造チームは最新鋭の機械設備を使って世界中のトップクラスのアーティスト、インストラクター、学生、あらゆるユーザーを対象としたドラムスティック、キーボードマレット、ティンパニマレットを作っています。ProMark は、Neil Peart、Elvin Jones, Ringo Starr、Phil Collins、Mike Portnoy、そして DCI Champion を9回に渡って制した Concord Blue Devils を含む数多くの著名アーティストに選ばれているスティックブランドです。
ProMark の特徴
ProMark スティックは業界最高基準の管理下で製造しています。全ての工程を経て製品になる前に、各セクションでのチェックを受け、最終的にスリーブ(2本を纏める小箱)にペアリングされた時には、左右 1.5g以内の重量差、6Hz以内の音程差まで精度を高めています。ご購入の際は、各ペアリングを崩さずペアごとにお選びください。
ABOUT ACTIVEGRIP
手の熱に反応しグリップ力が増す "ActiveGrip" は汗による滑りにも効果があり、滑りを押さえるための余計な力がはいらず手の平の脱力をサポートしてスティックのコントロール性を高めます。特殊塗装のアクティブグリップには製作チームに化学者まで迎え開発した D'ADDARIO社の最新技術が使われています。
従来の所謂カラードスティック、ラバーコーティングとは一線を画する製品でドラム、シンバルへの色移りもありません。また世界 TOP セラーの Acorn チップからスイートスポットを広げることで打撃の際にウエイトを乗せやすく、よりソリッドなサウンドを出せる NEW デザインのチップが採用されています。
ABOUT FIREGRAIN
FIREGRAIN シリーズは自社製材所で行う先進の木材選定で厳選された、特に強度の高い最上級の木材のみを使用しています。焼き入れ加工によって、表面が堅く強く独特のルックスになり、音の粒立ち、解像度をより明確に楽器本来のサウンドを引き出すほか、削れ、欠け、 へこみのダメージを減少してスティック全体の寿命を延ばします。
【 ProMark Staff Interview 】
● FIREGRAIN が製作されたきっかけについて
○ ドラムスティックの演奏性や自然なフィールを損なうことなく、より高い耐久性のヒッコリー・スティックはどうすれば実現できるのか?という、多くのドラマーが長年に渡って求めてきた問題を解決することから始まりました。 スティックの耐久性を上げる従来の方法として、オーク材や合成素材を使うことで強度(や耐久性)を上げようとしてきましたが、重さや堅さが増してしまうことで演奏性が犠牲となってしまいました。今回、まずウエイトに関しては、ペアとなるスティックの重さを均一にするため、製造工程を変えました。これまではバランスの取れたスティックのペア同士(同じサイズ内で)の重量差は、業界標準で40グラムとされてきましたが、すべての FIREGRAIN の許容差は5グラムとしています。きっとショップなどで手に入れるものは、ほぼ同一の重さに感じられると思います。
● 製造工程について
○ まずドラム・スティックを火炎処理の機械に入れて、その1本1本が 3,000℃以上の火炎トンネルを約8~10秒かけて通っていきます。スティックの処理具合いやルックスを可能な限り揃えるために火の強さや時間は、スティックのサイズ(7A, 5A, 5B, 2B)によって少し変えています。
● スティックを熱することで、なぜ耐久性は上がるのか?
○ 火炎処理で木材の強度を上げる方法は、野球のバット、ハンマーや斧の持ち手となど、様々な分野においても一般的で、FIREGRAIN は矢や槍の先を焼き入れして強度を上げる工程を応用しています。また、日本古来の技術で、木材の強度を上げるための“焼杉板”という紫外線や磨耗などのダメージから木材を保護する工程もあるのですが、この日本の技術は、家の外壁や屋外の家具などで広く利用されています。FIREGRAIN の耐久性は、火によって、木材の繊維が結晶化される“外側の鎧”を作る工程によって作られているのです。
● 熱処理により重さは変わるか?
○ 火炎処理の工程が、完成されたドラム・スティックの重さに影響することはありません。重量はドラム・スティックの基となるログ(丸材)を、窯で乾燥する工程でコントロールしていて、これはテネシーにある ProMark の最新技術を駆使した製材所で調整されています。
● 少し重くなったように感じるが?
○ FIREGRAIN は、ProMark 製材所の洗練された高度な技術によって、ペアでわずか5グラムの許容差になるように木材選定/管理されています。我々は、この選定によってスティック・サイズごとのベストな範囲を特定しました。市場にあるほとんどのドラム・スティックは、同じサイズ内で40グラムという範囲の中で重さが選定されているため、同じモデルのペアでも重量差を感じてしまいます。このため FIREGRAIN は、同サイズの一般的なスティックより重いと感じるのではないでしょうか。
● 熱処理による音の変化はないか?
○ 音に関しては、通常のヒッコリー・ドラム・スティックと FIREGRAIN の音を比較した公式なテストはありませんが、多くのアーティストからライブやスタジオでオーディオ信号の周波数のレンジが高くなり、シンバルの音が少し明るくなるとの意見が寄せられています。
● これまでに FIREGRAIN を実際に試したアーティストは?
○ Anderson Paak, Ben Thatcher (Royal Blood), Daru Jones (Jack White, the Ruff Pack), Calvin Rodgers (Ramsey Lewis, R. Kelly, Fred Hammond), Roy Mayorga (Stone Sour) 等、多くのアーティストが使用しています。
● FIREGRAIN のこれからのヴィジョンは?
○ 市場のためになる新モデルを開拓するまで、FIREGRAIN は現行モデルとして続けていきます。違う種類の木材や合成素材などで妥協することなく、より耐久性のあるヒッコリー・ドラム・スティックの需要が続くのであれば、FIREGRAIN はきっと多くのドラマーのもとに届くはずです。
● 最後にメッセージを!
○ 最も耐久性のある(ペアの)均一が取れたドラム・スティックが欲しいのであれば "FIREGRAIN" がベストでしょう。ユニークで最新テクノロジー満載のスティックですが、FIREGRAIN はそういうことを過度に意識させるものではなく、あくまで演奏に集中できることを第一としています。“音楽につながること”を目的としているのです。これが革新のすべてで、ドラマー達の音楽経験を向上させていくのではないでしょうか。