「どんなに大きなことも、始まりは小さな一歩から」
1977年、斬新なデザインと比類なきサウンドを兼ね備えたSPECTOR NS-Bass®が初めて市場に姿を現した瞬間から、スチュワート・スペクターとわずか数人の仲間のクラフトマン達によって作られたギターとベースは、品質やプレイヤビリティといった製品クオリティの基準を引き上げ、「THE SPECTOR® TONE」と呼ばれる独自のサウンドを作り上げてきました。
ワークショップにおける共同作業でのハンドメイドによる楽器製造から、世界有数のギターメーカーの一角をなすまで、さらにそのメーカーの思いがけない財政破綻からその余波を受ける形で使用できなくなってしまった自身の名の下で再び楽器を作る権利を取り戻すための戦い、そして最高の楽器を生み出すことへの情熱から遂に成功をおさめるまでSPECTOR®の歴史は波乱万丈なものでした。
Message from Stuart Spector
1975年頃のスチュワート・スペクターと |
「私達は、世界一のエレキベース、エレキギターを作っていると自負しています。 全世界から集まった優秀なルシアー達が、愛情と丹精をこめて作り上げた楽器です。 コストパフォーマンスモデルのProfessionalシリーズから、ここニューヨーク州ソーガティーズでハンドメイドされているフラッグシップモデルとなるUSAシリーズまで、あらゆるニーズにお応えしています。 SPECTOR®製品をお選びいただいたあなたは、1点の妥協もない、オリジナリティーと至高のサウンドを兼ね備えたパートナーを得たことになるのです。」 - スチュワート・スペクター |
THE FIRST SPECTOR®
スチュワート・スペクターが最初に作った楽器は、意外なことにベースでもバンジョーでもありません。
スチュワート自身がギタリストであり、金銭的な理由で欲しいギターが買えない、という経験から自らギターを作ってみたのが最初でした。
このギターは、そのすべてをスチュワート自身が一人で作り上げ、実際に使用していたものです。その後、スチュワートがこのギターを改造し、
彼のビジネスパートナーであるPJルバルが譲り受けるまで、何年もの間オフィスの片隅に放置されていました。
PJは希少なSPECTOR®製品の膨大なコレクションを所有しているのです。
音楽史を塗り替えた友情
若き日のスチュワート・スペクターが楽器製造用の機器を購入するためにとある家具工房を訪れた時、ネッド・スタインバーガーはまさにその家具工房での職を失うところでした。ネッドは家具職人でしたが、スチュワートの楽器作りの話に強く興味をひかれました。そこでスチュワートはブルックリンの自分の小さな作業所に彼を誘い、ネッドはその誘いに乗りました。
この2人の出会いによって生まれたのが、エレキベースのデザイン史上、最も名高い楽器の1つ、NS-Bass™です。その2年後、ネッドは当時最新のエレキベースを改造して新たに作り上げたSteinberger Bass™のデザインで賞を取りました。スチュワートとネッドの出会いによって生まれた2つのデザインは、その後の楽器メーカーとミュージシャン達のベースとエレキギターに対する見方を一変させるものとなったのです。
Company Profile
会社プロフィール
STUART SPECTOR DESIGNS, LTD.のオーナー、PJ ルバルとスチュワート・スペクター
PJとスチュワートが抱えているのは、限定生産されたSPECTOR® 30周年モデルベースです。
「大切なのは名前じゃない、中身だ。」
1976年以来、スチュワート・スペクターは、多くの人々が「世界最高の弦楽器」と認める作品を作り続けてきました。長年に渡り、非常にハイクオリティーなエレキベース、エレキギターを作るために彼は、様々な努力を積み重ねました。1970年代後半のブルックリンにあった小さな工房が1980年代にKramer Guiters社の一部門となり、1990年代まさに青天の霹靂ともいえるKramer社の突然の倒産、そしてそこから再び自分の名を冠した楽器を作る権利を取り戻すまで、スチュワートは一度として理想の実現を諦めたことはありませんでした。
現在、ニューヨーク州ソーガティーズに本拠を構えるSTUART SPECTOR DESIGNS, LTD.社は、北米、ヨーロッパ、アジアの3大陸に製造拠点を持つ、小さな楽器メーカーです。その中心に立つのが、スチュワート・スペクターとPJルバルの二人です。
スチュワート・スペクター
代表および創始者
1992年頃。スチュワートが持っているのは初期のSD-5P™ |
約40年におよぶ弦楽器のデザイン、製造の経験を持つ熟練のビルダーであるスチュワートは、常に公正なビジネスを行うこと、財政上の責任を持つこと、そして確かな評判に基づいた成功をおさめること、を信条としてきました。
スチュワートは、現代音楽の発展において、非常に影響力のある楽器デザイナーを何人も育ててきました。そのうちの1人が、彼の生涯の友人でもあるネッド・スタインバーガーです。スチュワートがブルックリンのワークショップで常勤雇用した最初の職人、ヴィニー・フォデラは、後に自らも世界有数のエレキベース ルシアーとなりました。スチュワートの築き上げたものは、ここ30年の音楽史に深く根付いています。スチュワートの作った楽器のサウンドは、あらゆるジャンルの数々のヒットアルバムで聴くことができます。
楽器のために珍しい木材を求めて旅に出ているか、SPECTOR®のウッドストックワークショップで楽器作りに励んでいる時以外のスチュワートは、自身のバンド、Crawdaddy Woodstockでキーボードやエレキギターを弾いたり、ハドソン・バレーの小川のどこかで目を輝かせながらフライフィッシングを楽しんでいます。 |
Woodstock Guitar Festivalで、自身のバンド、Crawdaddy Woodstockで演奏するスチュワート・スペクターとジミー・エパード。
PJルバル
販売責任者、アーティストリレーション
NAMMショーでSpectorアーティストのマーティ・オブライエン(写真左)とロビー・メリル(中央)と一緒におどけて見せるPJルバル(写真右)。 |
1980年代、PJは東海岸のローカルバンドのベーシストでした。彼は比較的早い時期にSPECTOR®ベースの存在を知り、瞬く間に心を奪われその虜となった彼は、アメリカ北東部の楽器店や質屋でSPECTOR®ベースを探して回るほどの非常に熱心なコレクターとなりました。
スチュワートの作品に対する強い思い入れから、やがてPJはスチュワート本人に会うチャンスに恵まれました。二人は友人となり、PJはニュージャージー州にあるKramer社の工場を頻繁に訪れるようになりました。Kramer社が会社を畳む頃には、スチュワートはビジネスの世界にすっかり嫌気がさして、しばらく現場から離れたいと考えるようになっていました。
スチュワートがSPECTOR®を再び立ち上げることを決めた時、PJは自分が会社の一員となることに不安を感じていました。けれどもPJは日々のマネージメント業務の大半をスチュワートから引き継ぎ、それによってスチュワートは最高の製品を生み出すことに集中できるようになりました。 |
PJとスチュワートがタッグを組んだことで、SPECTOR®はあっという間にこれまで以上の成功をおさめ、斬新な楽器をデザインし、製造するメーカーとして世界中にその名を知られる、非常に評判の高い優良企業となりました。
何百人ものSPECTOR®アーティスト達や何十社ものSPECTOR®ディーラーとの電話やメール、また、彼らと直接会っている時以外のPJは、熱心な自転車愛好家として知られています。
U3
SPECTORの使命および価値観として掲げられている「U3」とは、
Uncompromising Quality「妥協のない品質」、
Unparalleled Versatility「他に類を見ない多様性」、
Unbelievable Sound「驚異的なサウンド」、
の頭文字をとったものです。
熟練したルシアーであり、SPECTOR社の創始者でもあるスチュワート・スペクターは、最高品質の楽器を提供し、特別な顧客を獲得していくという昔ながらの優れたケアで、確かな信頼を築いてきました。
Stuart Spector Designs, LTD.は、スチュワート率いるほんの数人の、「U3」を体現し、楽器の制作に懸命に取り組むルシアー達からなる小さな会社です。私達の企業理念はシンプルです:単なる業績の成功や失敗ということではなく、私達の楽器を購入し、使用してくれるすべてのミュージシャンが、私達の仕事ぶりをどう感じるかが全てなのです。
世界中のミュージシャンの、演奏のために選んでいただくことこそが、私達が自らに課したU3という使命を果たす為の一番のモチベーションなのです。
常に他のブランド、他の楽器、という選択肢があることは当然理解しています。しかし私達は、どうにかして全てのミュージシャンに望まれる楽器を作り上げたいという気持ちを持ち続けています。 私達自身もミュージシャンであるからこそ、ミュージシャンの皆さんが楽器に対して抱く、特別かつ深い絆を理解しています。だからこそ、巡り合わせに運命を感じ、私たちが制作した楽器を「特別な1本」として皆さんに選んで頂けることを何より光栄であり、誇りに思っています。
そうして私達の制作した楽器を手にとってもらえる瞬間、私達の妥協なく取り組んできた全ての時間が報われることになるのです。そしてさらに私達の礎となり、改良を重ね、進化させるモチベーションへと繋がるのです。私達が常にU3という指針を守ろうと努めているのも、全て皆さんに喜んでいただくためなのです。
Spector Through the year
SPECTORの歴史 | ||||||||||||||||||||||||||||
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Model Through the year
SPECTOR製品の歴史
A CATALOG OF WHITCH HAVE BEEN AVAILABLE IN YEARS PAST